ライブ市場

大規模なコンサートが開催されなくて、半年が経った、6月ぐらいから生配信でライブを届けるアーテイストが増えてきて、7月ぐらいになるとかなりオンラインライブが盛り上がってきた。ようやく8月ぐらいからライブハウスを中心にリアルのライブが開催されるようになった。

そもそもライブに行くのはすごく面倒な事である。
まずチケットの購入するところから始まるが、基本的に一般発売では容易にチケットを入手できないから、基本的に先行予約をする為にわざわざ会員登録して、全然予定が決まっていないのに、チケットを取る。ジャニーズファンなどは、ホテルの予約をかなり前からとるらしい。
コンサートのチケットを購入して行くまでの道筋がすごく不便なシステムであるのにもかかわらず、高額なチケットで買う人は多い。
ライブに行く事自体がものすごくお金がかかる。


それでも、ライブ市場は右肩上がりで動員数を伸ばしてきた。
2016年ぐらいからは、ライブ会場の老朽化で、閉鎖するライブハウスが増えていたのと、東京オリンピックに向けて、大型の施設で改修が増えたので、やや伸びは鈍化している。
そもそも、最近、オンラインライブの市場が盛り上がっているが、現状、リアルのライブができていない状況では、厳しい状況は変わりないだろう。


実際のオンラインライブが多く開催されているが、チケットの売上はそれほど期待できないと思う。
アミューズの短信ではサザンのオンラインライブの収益は3.5億だと記載されている。
例えば、埼玉スーパーアリーナでスタジアムモードでは、1日の収益は3億ぐらい(客席3万✖️チケット1万)だが、利益は数千万ぐらい。(1日当たり)しかし、大型の施設だと、設営などの準備で、3日前ぐらいから会場はおさえるから。チケット収入だけではきついだろう。(ネットから拾ってきた情報で単純に計算すると)
アリーナクラス(キャパ1万)だとまた違うて思うけど。
ライブハウス(キャパ500〜3000)なら、オンラインでも利益は出しやすいと思う。
ライブハウスなら、当日から準備しても十分間に合う。
ライブの演出にこだわっているアーティストで有名なサカナクションはスタジアムクラスの収容数でも赤字になっていることもあると言っている。

実際の売り上げの収益はグッズ販売が主だと思う言われている。
アミューズの売上構成を見ても、FCとグッズの売り上げのほうが高い。
コンサートに参加している人の3人に1人はグッズを購入している。(アンケートによると)
消費の6割がチケットで、4割がグッズらしいが、リピーターはグッズの消費は大きいと思う。(特にアイドルファンの消費量はすごい)
以前イベント会社で働いていたが、ジャニーズの購入額もすごいが、AKBなどは特にすごい。握手券を入手する為にCDや転売で購入したりして、100枚以上持っている人はゴロゴロいた。  

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実際エムアップなどの業績を押し上げているのは、グッズ販売のオンラインが伸ばしていることが大きい。

ただ、オンラインとリアルの融合が定着していけば、市場は拡大するイメージはある。
配信なり放送なりでコンテンツに接触すると、「生で見たい」という熱は上がっていくと思う。
会場のキャパには限界があるし、どうしてもチケットはプレミアム化していた。それによって転売問題が発生していたけど、オンラインライブはそういった問題も解消できる。アーテイスト側にとってもメリットがあると思う。
スマートテレビ・5Gの普及も追い風になると思う。
コロナ禍がさった後オンラインライブを見るかわからないが、スポーツが配信ビジネスと定着している事を考えると可能性はあると思う。
馬鹿でかい市場に成長する可能性は否定できない。

 

そもそも音楽ライブって日本でどのくらいの規模なのか?

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1年の公演数は約32,000本あり、1日あたり90本弱の公演が行われている。
入場者数は年間約5,000万人で、10年で約2倍に増えている。
ライブに行く人はとにかくリピーターが多い。年間に100本ぐらい行く強者もいる。
それだけ満足度が高い。音楽フェスなども20年ぐらいの歴史があるが、10年以上参加している人も少なくない。
最近は家族で参加できるようにキッズエリアなども増えている。


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どうしてライブやコンサートに行くのか?


理由
    ①好きなアーティストに会い、生の音楽を聞くため
      この中でもアイドルなどのアーティストに会いたい人と単純に音楽を楽しみたい人がいると思う。
    ②好みが共通する人に囲まれた空間で、会場の一体感を感じることができる
      非日常での空間で一緒に盛り上がり、一体感を感じることができる。実際にはこちらのほうが大きいと思う。
    ③幸福感を感じることができる。

ある論文では、ライブに行くと幸福感を高める効果があるらしい

ライブに20分行くだけで幸福感が約21%も上昇するとのことで、“高レベルの幸福感”と“9年の延命”が直接リンクしていることから、コンサートに行くことで寿命を最低でも9年延ばすことができるらしい。

blog.hibino.co.jp


まとめ:コンサートに行くハードルは高いかもしれないが、一度体験すると、満足度が高く、リピーターになりやすい。
ただコロナ禍でコンサートにいけない状況が続いた事で、コロナ禍がおさまったとして、以前と同じようなライブがおこなられるかもわからないし、オンラインでもいいと思う人も増えるかもしれない。
家族で楽しむなら、別にオンラインでもいいと思う人も増えると思う。パブリックビューイングで見るスタイルも増えるかもしれない。
それでもリアルの人口が減るとは考えにくい。リアルでしか体験できない事はある。
リアルでの価値が高まるし、音楽を楽しむスタイルが多様性ができてくるのはいいと思う。
コロナがおさまれば期待はできる産業だと思う。すごくエンタメが身近に感じられる時代がくると思う。それは他のエンタメにも言えることだと思うけど。